平成27年 「おとこの台所」グループ 活動概要
平成27年は「おとこの台所・きたざわ」の誕生によりグループの台所が9か所になったこと、メンバーが300名を超えたこと、新体制によるグループ運営がスタートしたこと、26年に引き続いてテレビで取り上げられたことなど、話題の多い一年でした。
1.新体制によるグループ運営のスタート
各台所のスタッフ全員で構成する「スタッフ連絡会」を廃止し、その代わりに各台所の代表と運営委員で構成する「グループ会議」を設置し、グループの運営を担うことにしました。そして、グループ代表は小竹氏から名取氏に交代しました。グループ代表は任期2年とし、副代表が次の代表に就任することにし、副代表には大場氏が就任しました。新体制は9月からスタートしました。小竹氏はマスコミ対応や講演等を中心に活動する特別顧問に就任しました。
2.「おとこの台所・きたざわ」の誕生
グループ9番目の台所となる「おとこの台所・きたざわ」が1月に小田急線東北沢駅に近い「北沢地区会館」を拠点に準備段階としてのスタートを切りました。その後会館の改装工事を経て10月から本格的にスタートしました。
3.会員数
平成27年末の会員数は298名で、前年比13名増加しました(26年末285名)。これは、25年11月に開設した「野沢」に更に7名の新入会があったことやテレビ番組に取り上げられた影響などでその他の台所でも新入会が見受けられたことなどによるものと思います。
各台所毎の数値は、「松原」43名(対前年比1名減)、「上馬」45名(2名減)、「桜新町」42名(4名増)、「八幡山」30名(3名減)、「上北沢」25名(3名増)、「砧」44名(増減無し)、「烏山」33名(2名減)、「野沢」29名(7名増)、「きたざわ」7名(皆増)です。
6月末に会員数は300名を超えましたが、その後、各台所で長期欠席者を本人の意思を確認の上退会とした結果、上記の会員数となりました。
4.定例会
全台所の定例会の開催総数は247回(対前年比32回増)、参加者総数4,397 人(528人増)でした。「野沢」が5月から月3回(従前2回)の開催になったこと、「きたざわ」が10月から本格的に活動を開始したことが大きく影響して増加しました。
5.出前シェフ
(ア)「あんしんすこやかセンター」(略称;あんすこ)などとの連携による地域の老人を対象とする「出前シェフ」の実施
27年は、10月に「かたよせ会」(「上北沢」)、「深沢あんすこ」(「桜新町」)、12月に「ここからカフェ」(「上北沢」)の3回(昨年8回)実施しました。
(イ)視力障害の方を対象とする「出前シェフ」の実施
23年4月より月1回開催していますが、27年は7月を除き11回(昨年10回)開催し、累計50回となりました。
(ウ)渋谷区地域生活支援センターへの「出前シェフ」の実施
前年に引き続き27年も渋谷区地域活動支援センターで、心の病を持っている方への「出前シェフ」を実施しました。今回で6回目の開催となりました。
6.研修生の受け入れ等
(ア)都老研「介護予防リーダー養成講座」研修生受け入れ
東京都健康長寿医療センター(旧都老研)の「介護予防リーダー養成講座」の港区、多摩市の研修生11名を9月に「松原」、「八幡山」、「烏山」、「上北沢」の4か所で受け入れました。
(イ)至誠会看護専門学校研修生受け入れ
9月から11月にかけて過去最多の28名を6か所で受け入れました。
(ウ)東京都市大学生受け入れ
12月に東京都市大学建築科学生2名を「野沢」に受け入れました。
7.東日本大震災避難者への協力
東日本大震災の被災者は世田谷区内に約400名の方々が居住しています。世田谷区社会福祉協議会はこの方々に地域生活面の支援をしています。
「おとこの台所」は社協の依頼によりこの支援に協力することにしています。
(ア)被災者支援イベント(交流会)
3月に第3回被災者支援交流会が開催され、一昨年、昨年に引き続いて社協からの依頼により「松原」、「八幡山」、「烏山」、「野沢」の人々が料理を作って提供しました。交流会には被災者15名を含め44名の参加者でした。
(イ)被災者の方々を各社協事務所の地域担当者のアレンジにより各台所の ゲストとしてお迎えすることにしております。
8.グループとしてのイベント
各台所の枠を越えて、グループのメンバーが交流する場としてグループ全体のイベントを実施しています。従来は、イベント毎にプロジェクトチームを結成して実施していましたが、24年から担当する台所を決めて担当台所の結束力で実施するようにしています。
(ア)納涼大会
8月、「野沢」の担当にて「三軒茶屋しゃれなあど」で、109名(昨年126名)の参加を得て開催しました。会員数300名達成記念とし、300名目の方に記念品が贈られました。また、新旧のグループ代表から挨拶がありました。
(イ)忘年会
12月「八幡山」の担当にて「三軒茶屋しゃれなあど」で96名(昨年110名)の参加を得て開催しました。
(ウ)ぶらり鎌倉
従来どおり平野さんの幹事で、2月、5月、12月の3回(昨年5回)実施しました。12月は第50回記念の打ち上げが行われました。
9.広報活動
(1)テレビ番組への登場
①9月26日TBSテレビの「サタデープラス」の番組の「篠原信一の料理入門」のコーナーで「野沢」及び兜山氏宅での取材があり、10分ほど放映されました。
②10月22日TBSテレビの「ビビッド」の番組の「シニアが急増する男だけの料理教室」のコーナーで「砧」に取材があり、10分ほどの放映がありました。
(2)雑誌への記事掲載
「世田谷新聞」(7月31日)に小竹氏が「絆」と題して「おとこの台所」の活動を紹介しました。
(3) 2015世田谷くらしフェスタ
27年は11月に開催され、「野沢」、「上馬」を中心に9名が参加して「おとこの台所」の活動について展示・紹介するとともに試食コーナーでの80食の提供を行いました。
(4)講演会・シンポジウムへの出演等
①2月に祖師谷地区身近なまちづくり推進協議会主催「あんしん・文化講座」で「おとこの台所・砧」が取り上げられ、「砧」の増木、原、木寺の各氏が参加者30名に活動を紹介しました。
②8月に山形県生涯学習文化財団主催「地域がつながる拠点づくりを考えるフォーラム」に小竹氏がパネラーとして山形市、米沢市の2か所にて「おとこの台所」の活動を紹介しました。
③昨年の社団法人善行会の善行賞受賞者の中から小竹氏が選ばれて、他の人とともに10月に皇太子ご接見の機会を得られました。
10.各台所毎の諸活動
(ア)たまがわ花火大会鑑賞会
「桜新町」主催で8月に開催され、19名が参加しました。
(イ) 発表会
日頃お世話になっている方々に料理の成果をみていただく発表会を25年からは各台所毎に開催しています。27年は11月に「砧」(ゲスト5名)が開催しました。
(ウ)ミニ講演会
「上北沢」で、メンバーの人を講師に昨年から「ミニ講演会」を実施しており、27年は1月、3月、5月の3回実施しました。
(エ)散策の会
各台所毎に各地を散策する会を活発に開催している。「松原」では以前より三鷹・調布方面の散策会を、「桜新町」では紅葉ウォーキング「横浜ぶらり」を、「砧」では「熟年探偵団」として毎月都内各地を、「野沢」は「浅草ぶらぶら歩き」を、「八幡山」では「寺町ウォーク」、「世田谷ボロ市を歩く」を開催しました。
(オ)その他の諸活動
各台所では、台所単位に新年会や忘年会、花見、蕎麦打ち会、芋煮会や台所の枠を超えての有志による定期的な呑み会などの諸活動が行われました。
【来年以降の課題】
1.スタッフ、会場の確保
スタッフの世代交代や負担の分散化は徐々に進みつつありますが、後継者の確保が難しいところもあり、スタッフの円滑な確保が引き続き課題であります。また、定期的に使用できる会場の確保が依然として困難な課題になっています。
2.対外的ボランティア活動の担い手確保
300名ほどの大きな地域団体となった「おとこの台所」に対して、各種のボランティア活動参画への期待がよせられています。自分たちの楽しみのための活動のみではなく社会貢献をすべきであるとの意見がある反面、ボランティア活動を指向して入会していないという状況もあり、ボランティア活動にどこまで取り組むのか、担い手をどう確保するのかという課題が引き続き残っています。