30年活動実績

平成30年「おとこの台所」グループ活動概要

平成30年の活動で特筆されるのは、グループ10カ所目の台所「おとこの台所・中町」の誕生である。また、「さつき祭」は131名の参加があり、盛会のうちに終えることが出来た。その他の諸活動も例年以上に活発な1年間だった。

1.「おとこの台所・中町」の誕生
グループ10番目の台所になる「おとこの台所・中町」が民間の「グランクレール世田谷中町」内の施設で2月2日に誕生した。「桜新町」、「野沢」から移籍の7名に新加入10名を加え、17名でのスタートとなった。

2.会員数
平成30年12月末の会員数は335名で、前年比25名の増加だった。増加要因としては、「中町」の新設の影響が大きい。
各台所別の会員数は、「松原」41名(対前年比1名増)、「上馬」40名(2名増)、「桜新町」35名(7名減)、「八幡山」33名(増減0)、「上北沢」31名(6名増)、「砧」44名(2名増)、「烏山」40名(1名増)、「野沢」30名(3名減)、「きたざわ」21名(3名増)、「中町」20名(20名増)であった。

3.定例会
全台所(10カ所)の定例会の開催総数は280回(対前年比12回増)、参加者総数は4,350  名(70名増)だった。(1回当たりの平均参加者数は15.5人)

4.出前シェフ
(1)「みんなの料理」
みんなの料理(世田谷区視力障害者福祉協会の会員とおとこの台所会員が一緒に食事を作り楽しむ会)を8回実施した。(累計69回開催)8月を除く毎月第4月曜日に開催しているが、会場が取れない、悪天候などの理由により8回の開催にとどまった。
(2)渋谷区地域生活支援センターへの出前シェフ
12月15日に渋谷区地域生活支援センターへの出前シェフを実施した。これは精神障碍のある方々へ食事を提供する会で9回目になる。相手方が地元世田谷でないこと等を勘案し、今回で終了することになった。
(3)あんしんすこやかセンター(略称「あんすこ」)との連携による出前シェフ
1)「桜新町」が3月15日に上野毛あんすこ・いきいき講座へ、11月30日に深沢あんすこ・いきいき講座へ出前シェフを実施した。
2)「きたざわ」が9月25日に北沢あんすこ・いきいき講座に出前シェフを実施した。
3)「中町」が11月13日に上野毛あんすこ・いきいき講座に出前シェフを実施した。
(4)その他の出前シェフ
1)「野沢」が6月30日、9月29日の2回、地域デイサービス「たまごの家」に出前シェフを実施した。
また、10月30日、「子育てママのリフレッシュデ―」にスィーツを提供した。
2)「上北沢」が9月20日、「かたよせ会」に出前シェフを実施した。
3)「烏山」が11月23日、社会福祉法人なごみ福祉会に出前シェフ(煎餅汁)を実施した。

5.研修生の受け入れ
(1)至誠会実習生受け入れ
至誠会看護専門学校の学生の実習を例年のように受け入れた。「烏山」、「桜新町」、「上馬」、「松原」、「砧」、「上北沢」の各台所で、総数29名の学生を2,3、名ずつ延12日間にわたって引き受けた。学生にとっては地域の高齢者と接する機会となり、一方台所のメンバーにとっても若い人と会話する機会になるので、いつも以上に会話の弾む食事会になって、双方に好評であった。
(2)介護予防リーダー講習会受講生受け入れ
「八幡山」に9月1日3名、「烏山」に9月10日4名受け入れた。

6.グループとしての活動
(1)
さつき祭の開催
5月16日(木)「三茶しゃれなあど5階オリオン」で131名が参加して盛大に開催された。(幹事の台所は「烏山」)前年の15周年記念パーティの会員参加者数より16名の増となった。会費を3,000円から2,000円に減額したことも一つの要因と思われる。
(2)こども食堂の活動
こども食堂は全国で約2,300カ所、世田谷区内でも30~40カ所あり、目的、形態は多様である。おとこの台所では、現在3カ所で活動をしている。参加者は子供20名、母親4~5名、学生ボランティア10名、主婦の支援者などで運営も安定してきた。
(3)至誠会患者役
至誠会看護専門学校からの依頼で、患者役ボランティアの要請があり、7月19日に6名の会員が参加した。(4)鎌倉めぐり
「松原」平野豊氏主宰の「鎌倉めぐり」・「ぶらり鎌倉アラカルト」が4回開催された。

7.各台所独自の活動
(1)
「上馬」で2月26日ミニディ参加グループ交流会が開催された。おとこの台所紹
介映像を使って活動内容を説明した。
(2)「上北沢」の200回記念の会を、発足時の拠点であった経堂の生協で開催した。

8.広報活動
(1)
テレビ
1)NHKごご生に出演
地上波のNHKテレビに、1月9日名取代表と「八幡山」新川氏が出演した。約1時間枠の生放送で、おとこの台所の紹介だけでなく、スタジオで実際に調理する姿も放映された。
2)シンガポールテレビの取材
「松原」に「リタイア後の男性の行き場がない」というテーマで、シンガポールテレ
ビの取材があり、31年1月28日に現地で放映予定である。
(2)新聞取材
サンケイ新聞が6月1日「松原」に取材があり、7月16日の新聞に「みんなが喜ぶ料理」というテーマで掲載された。
(3)講演
1)「世田谷区マンション交流会」からの依頼で、名取代表が7月14日「三茶しゃれなあど」でおとこの台所について講演した。
2)「せたがや福祉区民学会」で、名取代表が11月17日に事例発表をした。この学会は社会福祉系の約120団体が参加し、今年度の会場は日体大であった。この発表をきっかけに理事就任の要請があり、名取代表が理事に就任することになった。

9.龍國朝さんの逝去
  おとこの台所設立のメンバーの一人であり、レシピを15年にわたって作り続けて
下さった龍國朝さんが、6月2日至誠会第2病院で逝去された。龍さんを偲ぶ会が、設立メンバー中心の会、松原メンバー中心の会、八幡山メンバーの会など様々な形で催された。龍さんのおとこの台所に対する偉大な貢献に感謝するとともに、御冥福をお祈りします。

10.今後の課題
(1)「中町」の新会場
10番目のおとこの台所として誕生して軌道に乗りつつあったところ、現会場の貸主より31年1月で使用契約を打ち切るとの通告があった。継続するために新たな会場探しが必要になった。当面各回毎に借りる形での対応にならざるを得ないが、安定的な運営のために、月2回定期使用が出来る会場を探すことが最重要課題である。
(2)コストと会費
各回の食材コストは出っ張り引っ込みはあるが、徐々に上昇傾向にあることは確実なので、現在の会費で維持できるのか検証が必要である。
(3)新入会員の勧誘
30年は「中町」の誕生もあり会員数は増加だったが、既存会員の自然減は避けがたい現実なので何らかの方策が必要である。会員増に寄与している例として、「上北沢」の世田谷区広報への掲載や、「きたざわ」の出前シェフからの入会などがある。まだこれからだが、「烏山」の公共掲示板への掲載なども予定されている。効果的と考えられる手法を継続的に実施する努力が必要である。
(4)レシピの選定
現在は過去のレシピから4品選定し、料理講習会(実施月の前月第4土曜日)で各台所の調理スタッフが集まって試作している。それを踏まえ各台所で調理するというやり方で実施している。一方、各台所独自レシピのお好み料理を取り入れている台所もあり概ね評判は良い。当面は従来の方法を継続するものの、今後どのようなやり方が良いか議論が必要である。
以上